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パキスタン経済 洪水被害で衛生・治安も一層悪化 情勢は不安定

パキスタンを襲った洪水は今でも被害を拡大させている。
モンスーンによる大雨が洪水と化し、同国の人口の8%に相当する
約1400万人が被災した。
とくにヒドい状況に見舞われた地域が北西部。
世界遺産のガンダーラ仏教遺跡があり、治安が極めて悪い都市で
も有名なペシャワールが存在する。首都イスラマバードからも近い。
今回の洪水は同地域としては80年ぶりとなる規模。
既に1600人以上が死亡したほか、200万人が住居を失ってい
るという。

とにかくお世辞にも新興国と言ってよいのかわからないが、パキス
タンの経済も自然災害以上にひどい。
金融危機後だけでなく、もともとタイと同様、政治情勢が不安定な
ことから、今回の米国発の金融危機が襲いかかり、欧米諸国がパ
キスタンからもマネーを一気に引き揚げたことで、経済危機も一気
に表面化してしまった。
一人当たりのGDPは、インドやベトナムとほぼ同じだが、日本を
はじめとした先進国からの投資は、これらの国ほど期待できない。

政治では08年2月にブット元首相の人民党とイスラム教徒連盟が
躍進して、両党は連立政権をつくることに合意した。
これにより当時のムシャラフ大統領は、事実上の実権を失ってしま
い、同年8月に辞職した。
その後同年9月に大統領選挙が行われ、パキスタン人民党の指導
者ザルダル氏が大統領に就任。国民も新大統領に大きな期待を
寄せた。

しかしそれも束の間、タイミングが悪いことに米国発の金融危機が
重なってしまった。
9月20日にはイスラマバードのマリオットホテルで大規模な爆弾
テロが発生し、その後も混迷をどんどん深めてしまったのである。
現在もアフガニスタンに近い西部のペシャワール付近で、自爆テロ
が頻発しているのは承知の通り。
現地の日本人取材班が銃で太ももを撃たれ、負傷してしまった事件
も起きた。

それにしてもパキスタンの経済低下は、アジアの中でも早かった。
06年には6.8%の成長率を実現したが、世界的な好景気にもか
かわらず、早くも07年には4%前半に低下。
そして08年には、わずか2%程度の成長しか実現しなかったのだ。
(私が個人的に新興国とは程遠い考えを持つのはこのため)

金融危機後、海外からの投資マネーが急激に流出したことから、
通貨ルピーは急落。
パキスタンの中央銀行はルピーを買い支えるために、介入を行い、
ルピーを買い支えた。
しかしこれでも外資の流出は抑えられず、パキスタンの外貨準備高
はどんどん減少していき、ピーク時の4割も減っていったのだ。
今では急激な円高も進んでいることから、1パキスタンルピーは、
1円を割っている。

建国以来の経済危機に直面したパキスタン経済は、急遽IMFに支
援を要請し、緊急融資を取り付けることになった。
さらに親交の深い貿易相手国に対しても、個別に援助を求めた。
同年11月にはザルダイ大統領がサウジアラビアを訪問し、最大2
年間の原油代金支払い猶予を求めたという。

パキスタンはインドと同様、日本の二輪・四輪メーカーのスズキが
庶民に親しまれている。
好景気時にはホンダもよく買われており、去年には同国ホンダ・パ
キスタンの幹部が揃って日本を訪問し、一時的ではあるが経済交
流を深めた。
また工業製品ではないが、パキスタンのお米 「バスマティライス」
は世界的にみて有名。
ブランド米としては、日本のお米以上に知れ渡っている。
パキスタンで唯一知名度が高い製品(食品)といっていいだろう。

去年11月にはベトナムとのFTA(自由貿易協定)の交渉に入って
いる。パキスタン製の自動車部品やニット製品にとっては、魅力的
な市場であると語った。

 ★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者

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