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スペイン イタリア国債のスプレッドが再拡大 ユーロ経済どん底へ

週明けの欧州CDS市場で、スペインとイタリア国債のスプレッド
が拡大している。
スペイン10年物国債のドイツ連邦債利回りに対するスプレッドが
拡大し235bp。イタリア国債の同スプレッドも168bp。
周辺国のスプレッドも同様、少しずつ拡大してきているようだ。

2011年には欧州危機が本格化しそうである。
ユーロとは中央銀行がたった一つ。つまりECBしかない。
しかし財務省はといえば各国バラバラに存在している。
それでいて金利政策は圏内一緒なのである。
それでもナントかカントか均衡を保ってきた背景には、各国財政
赤字をGDP3%以内に収めるという約束事を掲げているからだ。

ところがよく指摘されていることだが、この3%ルールをきちんと
守っているのは、オランダ、スウェーデン、ルクセンブルクだけで
ある。
PIIGS諸国などは約束を果たしてこなかった。
こういった国が今、窮地に陥っているのである。

本来ならこういった国々に対して、“退場” を突き付けるのが筋だ
ろう。これまでドイツなどが指摘してきた。
しかしフランスなどが、“団結” を維持していくために、このよう
な国でも救済をしていくべきだ. . と訴え、救済を促してきたので
ある。
ユーロは良くも悪くも、一蓮托生という運命なのだ。

通貨問題も例外ではない。
ギリシャが危機に陥ったまともな理由のひとつとして、通貨が同じ
であるため、コレといった輸出産業が無いにも関わらず、為替の切
り下げができず、輸出が停滞し、輸入が増えていったからである。
逆にドイツといった世界的競争力のある国は、ますます輸出を拡大
でき、潤っていったことは言うまでもない。

ドイツのGDPにおける輸出の割合は45%を超えている。
これはアジアでいえば、中国や韓国の割合をも超えているのだ。
まるで発展途上国並みである。
経済大国がこれほどの輸出割合が高いとは驚く。
ドイツの国内市場は思うほど大きくないのだろうか?
しかしこれはひとえに、ユーロ圏ができたおかげともいえるだろう。
ドイツの輸出依存度は10年前はせいぜい20%程度だった。
しかし1999年にユーロ経済圏が発足し、域内の関税が無税に
なったことが最大の理由である。
(ちなみにEU圏内同士も関税はゼロである)

ユーロという通貨が安くなるから、その分経済が活性化するだろう
と、簡単に思ってはいけない。
ユーロ圏の輸出先は、大部分が同じユーロ圏内で取引されている。
だから通貨がいくら安くなっても、同じ通貨で決済されるわけだか
ら全く同じ。 そんなにウマミは無いのである。
また最大の市場を持つ米国も、通貨ドルを安くしていく政策を続け
ていく限りは、こういった市場への輸出促進は難しい。
もともとユーロとドルは反対の相場で動く運命にある。
目指すは日本や新興国市場しかないだろう。

こうしてユーロ圏諸国は輸出強者と弱者がハッキリ分かれ、双方
はますます政治的に乖離していくことになる。
ギリシャだろうが、ドイツだろうが、一般庶民はたまったものでは
ない。
そして今後もゼネストが各地で頻発していくだろう。
先日スペインで突然起きた空港管制官のストライキは、予告してい
なかったこともあり、世界中の観光客をパニックに陥れた。
サパテロ首相は非常事態宣言を発令したほどだ。
こういったことも政治の混乱を引き起こす。

今後のユーロの行方は、米国同様、先行き不透明感が強過ぎる。
弱小国が追い出されるか、または強国が弱小国の支援に嫌気を
指すか・・・どちらかということだろう。
ユーロ通貨が無くなることはないだろうが、一時的には大きく下落
していくことは避けられない。
ユーロが再浮上していくきっかけとして考えられるのは、米国経済
が破綻し、その結果ドルが紙屑となり、代わりにユーロの存在感が
上がっていくというのが妥当だろう。

2011年1月1日に、バルト三国一角のエストニアがユーロ加盟を
果たす。
財政赤字は少なく、「欧州の優等生」 とまで評価されている。
これを良い機会に、ギリシャとメンバー交代すればよいのではない
かと思うのは私だけだろうか?

 ★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者

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