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殺人保険を証券化に クレディ・スイスとゴールドマン・サックス

米ゴールドマン・サックスが、先日香港で開催した投資家向け説明
会で、11月中旬の中国株急落の原因になったという批判を受け、
中国メディアの批判に晒されていたという。
上海株式市場では同月12日に、上海総合指数が5%超下落。
この原因を巡って外資の陰謀説や、株式売買に伴う印紙税や金利
の引き上げなどが飛び交ったという。

ゴールドマンの錬金術は、まさに倫理の欠如といっていい。
今年の2月には、2000年と2001年に将来の空港税や宝くじ収入
を担保に、ゴールドマン・サックスがギリシャ政府に数十億ドルもの
資金を提供したという情報が発覚。
ユーロ加盟の条件である、GDP比3%以内の財政赤字達成が困難
であったギリシャは、ゴールドマンからの資金提供でユーロの仲間
入りを果たせたといわれているです。
もちろん無条件ではなく、担保として空港税や宝くじ収入に目をつけ
たというわけです。
当然のこと、これだけではゴールマンに何も入ってこないわけだか
ら、手数料として数百億円を手に入れたこともわかった。

米国政府と経済は、ゴールドマンと一蓮托生のようだ。
米国の不動産バブル崩壊は凄まじい。
今後も富裕層住宅や商業用不動産価格は下がり続ける。
今年の4月には、ゴールドマンの国際不動産投資ファンドは、米国
やドイツ、日本への投資に失敗して資産のほぼすべてを失った。
そしてモルガン・スタンレーも、88億ドル規模の不動産ファンドが
全資産の3分の2近くを失う可能性も出てきたと報じている。

さらにここにきてゴールドマンとシティグループは、8億7600万ドル
相当の商業用不動産担保証券(CMBS)の販売活動を行っている
というものだ。
不動産価格が今後も下がり続けることが明白なのに、インチキ商品
を売り続けるという姿勢は、背に腹はかえられない気持ちでは済ま
されない。 モラルを完全に失っている。

さらにゴールドマンとクレディ・スイスの2社は、生命保険に目をつ
けて、金儲けを狙った商品を生んだ。
早く死にそうな契約者のところへ行って、その保険を解約料よりは
高い価格で買う。
保険料は満期まで上記2社が払う。
つまり出来るだけ早く死んでくれればくれるほど、彼らは保険金の
支払いを少なくすることができ、より儲かるといったものだ。
こうした生命保険を束にして、証券化商品として売り出したのだ。

人間の世界では、保険金殺人は犯罪である。
保険金は払われないし、仮に払われた後で犯罪であるとわかれば、
受取人に対し、法的問題が生じる。
しかし欧米の金融機関では、いまだ完全にそういったルールになっ
ていない。
「人が早く死んだら儲かる」 という金融商品をどう思うだろうか?
日本ならば、金融庁が認めるだろうか?

忘れてはいけない。
米国の投資銀行はここ20年間、消滅の歴史を繰り返してきた。
最近破綻した、リーマン・ブラザーズやベア・スターンズ、それから
2009年3月にはシティ・グループも、株式の4割近くが政府保有
となった。
バンカメに吸収されたメリルリンチ、債権王と呼ばれたソロモン・
ブラザーズも潰れた。
英国でも投資銀行として名高かったベアリングス銀行が、95年に
破綻した。
この銀行はシンガポールでの投機が失敗したことが理由だ。
ロイヤルバンク・オブ・スコットランド(RBS)や、ロイズといった世界
的な銀行もリストラが激しい。
前者の銀行は株価が98%も下落した。

とにかく米ゴールドマンの運命は案外短いかもしれない。
ギリシャだけでなく、スペイン、イタリア、そして英国に対しても、
300倍から400倍のレバレッジをかけてきたのだ。
英国だけでも数十兆円規模に上っている。
昨今PIIGSをはじめとしたユーロ危機がこれから本格化すれば、
この数百倍のレバレッジがいっぺんに負債に替わるのである。
救済しようにも救済不可能な数字だ。
AIGやリーマンの比ではないのである。

このことから全ての件で一致していることは、
投機に失敗したら遅かれ早かれ潰れる ということである。
今ナントか最後の砦として君臨しているゴールドマン・サックスは、
来年正念場を迎えるだろう。
不動産価格の下落要因だけでなく、投資をした国から裁判沙汰に
なる可能性が強い。 市場で曝け出されてしまうだろう。
これで信用が失墜し、めでたく破綻という運命になる。

 ★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者

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