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米国(アメリカ)経済の復活はない。現在は事実上の債務不履行状態

米国の株式市場が上昇している。
再度の量的緩和策が実行されて、マネーがじゃぶじゃぶ状態に陥り、
債権の金利が上昇した。
これによってドル高が起り(一時的だが)、資源や農産物の価格が上
がっていることが大きい。

しかし不動産市場についてはお先真っ暗だ。
住宅価格は金融危機後、平均で3割も下落し、借り換えによって自己
負担なしで家が手に入るといった夢は潰えてしまった。
夢が無くなるだけならまだマシだが、今後は本格的な地獄に入って
いくのである。
何度もブログで紹介したので、もう今更掲載するまでもないだろう。

大手金融機関の業績が次第に回復しているという報道もされている
が、強ちウソではないにしても誤魔化しの話ばかり伝えるから、始末
が悪い。
サブプライム・ローン危機が起き、リーマン・ショックが起った後に、
ベア・スターンズやメリルリンチ、ワシントン・ミューチュアル、ワコビ
アといった機関が次々と消えていった。
モルガンスタンレーも日本最大手の傘下に入った。

検討違いを起こしてはいけない。
G.Sなどの業績が上向いているのは、競争相手がどんどん少なくな
っていったことで、手数料といった収益が集中してきただけである。
JPモルガンやシティといった金融機関は、融資をしてはいけない人
に対し、“証明書類なし、自己申告OK” でカネを貸していた。
いかにもマネーゲームをやらかす投資銀行らしい。
しかし何度も言うが、投資や投機は失敗すればいつかは潰れる。
逆に成功すればどんどん発展していくのだが。。
もうこんなことを言っても虚しさだけが残る。

QE(量的緩和策)がどんどん追加されていくのは、大きすぎて潰せ
ない金融機関を延命させるためだ。

リーマンブラザーズの破綻によって、米国政府や企業、国民は地獄
を味わった。
もう再びこういった地獄を味わいたくないから、量的緩和策で次々と
資金を投入しているのである。
シティ・グループなんて、業績から考えればとっくに破綻させても良
いのだが、なにせ世界中に2億口座以上を抱えていることもあって、
そう簡単に潰せるものではない。
バンカメ(BOA)も同じことが言える。
インチキ住宅証券を生んだメリルリンチを吸収していることを忘れて
はいけない。

また実体経済についても、失業率が一向に良くならない。
就職活動を諦めている人が増加しているから、見せかけだけの指標
で上向いていっただけである。
それにしてもなぜ米国企業は雇用を増やせないのだろうか?
理由は単純で、全米商工会議所で登録されている企業500万社が、
雇用に消極的だからである。

リストラによって辛うじて平行線を維持できているため、採用を増や
したら、業績に水を差してしまう。
それから公的保険の加入がもし義務付けられると、会社側も雇用人
数に応じて負担しなければならない。

米国では就業人数の2割に当たる人が月収8万円以下。
年収でいえば100万円程度だ。
住宅価格が絶望的な水準で、雇用が増えず、収入も増えない。
増加していくのは不良債権と財政赤字だけである。
ついでにもう一つは、住宅金利といえるだろう。
何度もいうが、この金利が今後一気に上がっていく。
再度の地獄が襲ってくるのだ。

通貨安戦争についても、米国ではあまり効果は発揮しない。
つまりドル安によって輸出を伸ばそうというのだが、米国の製造業
では通貨安で輸出促進できる製品は少ない。
貿易とは関係ないが、米国政府がドル安によって助かるのは、各国
から借りている借金をチャラにできることだけだ。
実際にコレが米国政府の本音なのかどうかは筆者にもわからない。
しかし少なくとも事実として効果が働いてしまう。
それよりドル安は米国経済を弱体化させ、政治的にも存在感を小さ
くさせていく。

11日に発表された住宅公社2社の縮小については、ある意味では
当然だが、これからは最大限の注目を要することになろう。
かつてこの2社は上場企業であった。
しかし将来的には段階を踏みながら閉鎖もあり得る。
もしそうなったら、海外から一斉の非難が襲いかかるだろう。
日本や中国、中東諸国はこれらの住宅債権をヤマほど買っている
からだ。
米国政府はこの2社をきれいに潰したいのだが、リーマンのように
一気に葬り去ると、再び大混乱を起こすことになる。
だからとりあえず “ 縮小 ” という形で誤魔化しているのだ。
少なくとも米国債同様、一定の損失は覚悟しなければならない。
今後十分予想されるのは債権金利の上昇だ。
これは結果的に借り手といった消費者に襲いかかってくる。
もうどうにもならない 「八方ふさがり」 とはこのことだろう。

 ★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者

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