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東北関東大震災 円高・世界的な株安傾向は、大地震が主要因ではない。

大地震の影響は世界経済にも不安定要素を拡大しつつある。
原子力発電所の爆発によって東京電力の株が急落。
また地震関連の火災保険の支払いが過去最高に上ることで、保険会社
の株も下落した。

こういったことから日本銀行(日銀:BOJ)は、15日までに21兆円とい
う過去最大規模の緊急資金供給を即日実施した。
これにより日本国債の価格は上昇。 そして利回りも低下した。
円相場も一時は対ドルで80円台をつけたのだが、その後は東京市場
でも82円台まで下落。
ところが再び欧米市場で80円台に突入した。
対ユーロについても112円台と、前日より2円近くも円高になった。

やはり今回の地震のインパクトは想像を絶するものだろう。
日銀が21兆円もの資金供給を実施しても、米国が去年11月に実施し
た量的緩和に比べると3分の1程度。
この時点だけで考えれば、梨のつぶてといったところかもしれないが、
日銀は今後も供給量を拡大していくものとみられる。

日銀が過去最大規模の資金供給しても円安にならない理由は、直接的
に地震だけの要素ではない。 他にも大きな要因があったのだ。
小さいところから説明していこう。
まず、韓国や台湾といった家電メーカーの株が大きく下落した。
もともと日本から精密機械や中間財、素材といった資本財に大きく頼って
いるため、これらの調達ができなくなれば、それを組み立てて輸出するこ
とはできない。
こういった日本からのハイテク製品の納入が、遅れてしまう可能性が高く
なる。 逃避先として円が買われたということだ。

もちろんこういった国だけではない。
豪州では日本向けにウランを輸出している。
原発に対する先行きの不透明から、こういった資源関連の企業株価が
下落したのだ。 実際豪ドルはこの間一気に下落した。
原発は環境にやさしいことから、今後は需要が拡大してくると見込まれ
ていたが、ここへきて独メルケル首相の後退観測も響き、世界的な需要
が落ち込むかもしれないといったものだ。
しかし一方で鉄鉱石価格は上昇しているので、豪州経済全体から考えれ
ば十分相殺できるものだろう。
豪州国債についても日米英と同じく価格は上昇し、利回りは低下してい
るからだ。

実際のところ最も大きな要因は以下だろう。
日本の生命保険といった金融機関は、「米国債」 を多く保有している。
今回の地震で保険金支払いが2兆円とも3兆円ともいわれている。
こういった資金を工面するため、保有している米国債を売却する可能性も
あるという憶測が流れた。
日本が保有している米国債は公式データでは約70兆円。
中国に次いで世界第2位であるが、日本がひとたび売却すれば、保有額
1位の中国の経済にも即波及する。
(反対に中国が米国債を売却しても、日本の影響は軽微である)
今回は大型補正予算を組む可能性が高いから、日本政府も一定の調達
先として売却することもあり得る。
しかし菅総理が最終的にどういった判断をするかは不明だ。

そしてもう一つは、市場関係者が一様に口を閉ざしているのだが、今回
の株安は地震が主要因ではないというのだ。
日頃から株価チャートなどを注視している人はすでに気がついているの
だが、やはり時期的にも欧米の金融機関の損失が拡大しているというも
のらしい
。 つまり世界経済危機の再熱である。
3月に入った直後からジワジワと企業収益が落ち込んでいるという。

米国は現在、四半期決算の真っ最中である。
16日のNY株式市場は200ドル近く下落して始まっている。
これからも多少の上下はするだろうが、流れは間違いなく株安である。
もし日本政府が米国債といった一定の資金を回収すれば、その影響は
間違いなく世界各国に広がっていくだろう。
地震の処理が落ち着かないうちに、円高・世界同時株安が襲ってくるか
もしれない。

 ★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者

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