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サムスン・LG電子の凋落 ウォン安でも利益が出ない時代に

韓国最大企業で、同国GDPの2割近くを占める世界的IT企業といえば、
サムスン電子だ。
だが過去2年間、イケイケドンドンであった企業が、去年夏ごろから不振
に喘いでいる。

サムスン電子はTVといった家電分野と携帯電話、半導体、液晶パネル
で持っている企業。
しかし最近はウォン安にもかかわらず、利益が出せていない状態だ。
2010年7-9月期に170億円の赤字に転落。
同国のLG電子もこの時期には赤字に転落している。
去年と比べて液晶パネルの利益がほとんど出なくなったという。
理由は市場価格の下落、そしてエネルギーの高騰だ。

韓国企業の体質は過去何度も掲載した。
資本財を日本から輸入し、それを組み立てて欧米などに輸出するだけだ。
実は韓国も主要輸出品は資本財である。
しかしその中に含まれる部品や素材等は、日本から輸入しなければ完成
すらできないのが現状だ。

世界的な中小企業が無きに等しい韓国は、日本の中小メーカーから調達
しなければならない。
だから貿易上の輸入に頼っているわけだが、昨今の円高でコストが跳ね
上がってしまっている。
それがドル建てで取引されるのならまだいいのだが、日本の先端技術に
よって作り出せる製品は、大概円建てで取引される

だからいくらウォン高ドル安でも、最初の時点で不利に置かれるわけだか
ら、どうしょうもない。
しかしだからといって安易に輸出品を値上げすることはできない。

世界的な金融危機後は、欧米といった主要国も消費が収縮してしまった。
さらに中国が台頭し、価格面ではどうしても負けてしまう。
中国も主要な部品や素材、中間財などは日本の技術に頼っている。
もはや家電では中国に対抗できない時代になりつつある。
インド市場でも、去年7月からソニーがサムスンを追い抜いた。
サムスンが赤字転落した時期と重なっている。

では半導体はどうか。
これもサムスンの代表的な輸出品であるが、作り出す製造装置は日本製
のものを使っているので、結局輸入コストが膨らんでしまう。
よっていくら薄利多売でやっていっても、最終的な利益は出なくなった。
しかしここへきてようやく日本の東京エレクトロン社が、韓国内で工場を設
けることになった。
これで少しは貿易上の不利をカバーできると思われるが、果たして・・・。

もうひとつ携帯電話がある。
こちらの業界も一層厳しくなった。
4年前の朝鮮日報が、サムスンやLGといった携帯も国産化率がゼロ(0%)
だという衝撃報道を伝えた。
実際のところ、部品や素材、製造装置も日本や米国、ドイツなどに頼って
いる。
その後はどういう状況になっているかどうかは定かではないが、とにかく
悲しいばかりの実態だ。
しかもここへきて米アップル社から提訴され、すぐに逆提訴し、結果的に
怒らせてしまった。

こういったことは枚挙に暇がない。
最近では2010年末、ソニーが携帯電話における特許侵害でLG電子を
提訴した。
私はその当時外国にいたが、BBCなどが大きく報道していた。
結果的にはソニーの勝訴となった。
だが今年に入っても、ソニーはゲーム機の特許侵害でLGを提訴している。
しかしLGは対抗心むき出しで、すかさずソニーを逆提訴したのだ。

80年代から90年代は、日本の大手企業から技術供与を受けて成長した
韓国企業であるが、その後も大まかな方向性は変わっていないといえる。
自動車においても金属加工プレス機は全部日本製だし、エンジンに至って
も日本の技術に頼っている。
国内市場が小さく、その分輸出に大きく頼っている韓国は、世界的な不況
で消費が伸びないと喰っていけない。
しかしいくら世界的に好況でも、日本から技術を莫大に輸入している構造
を改めない限り、為替の動向などですぐに苦境に陥ってしまう国なのだ。

韓国人はせっかちな国民性から、自分たちで技術を高めようとせず、これ
まで同様、技術は日本に頼っていく方針でいくのは間違いない。
根本的な問題は理解しているにもかかわらず、全く解決策を見いだせない
のが本当のところだろう。

 ★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者

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